日本人のためのクリーン・ランゲージ
クリーン・ランゲージという最先端の問いかけ技法のトレーニング、個人・組織のファシリテーションを提供。
世界のクリーン・ランゲージ・コミュニティーで正式な研修を積み、個人・組織ファシリテーションの双方の認定資格を日本で初めて得たトレーナーとして、日本語及び日本文化に適応した形で各種トレーニングを提供。
代表の松田依子は、元国際弁護士としてのビジネス界での実践的な経験を積み、かつヒプノセラピストとして深層心理の仕組みについて習熟した経験を持ち、その明晰で実践的なプログラムときめ細やかな指導には定評があります。
メタファーを使って個人の深層心理と行動の変容を促す「シンボリック・モデリング」



<シンボリック・モデリングとは>
「シンボリック・モデリング」は、相手の内的世界を汚染しない「クリーンな問い」を使って、クライアントの注意を内側に眠っている「メタファー(喩え)」からの情報に向けて「見える化」することで、クライアント自身が自分の課題に対しての新しい気づきや洞察を深めていくという、大変ユニークで画期的なファシリテーション手法です。
(「シンボリック」とはメタファー(比喩)のこと、「モデリング」とは心の構造を明らかにするということです。)
このファシリテーション法の起源は、心理療法家のデイヴィッド・グローヴが、ベトナム帰還兵などの深いトラウマを抱えていた人々の心の治癒のために行っていたワークです。それを、心理博士であり世界でもっとも影響力のあるNLPトレーナーのトップ10に入るNLPトレーナーのジェームス・ローリーとペニー・トンプキンズが、認知言語、NLP、システム思考、Self-organizing システム理論に基づいた彼ら自身のアイデアを統合・体系化して、セラピストだけではなく、どのようなバックグラウンドの人も使えるような形に完成させました。
この技法は、日常生活で経験するあらゆる課題に対して適用することができます。そして、現在は世界各地で心理セラピーのみならず、教育、ビジネス、行政、カウンセリング、ジャーナリズム、健康福祉、IT、芸術などのあらゆる分野で応用されて用いられ、目覚ましい功績をあげています。
ペニーとジェームス・ローリィーがデイヴィッド・グローブのワークに出会ったとき、そのパワフルさに驚嘆し、彼がどのようにしてあれほど素晴らしい成果を得てきたのかを知りたいと思いました。そこで、彼らはデイヴィッドのワークを数年間にわたり観察し、話し合い、彼のセッションを受けたり、書いたものを分析しました。
ペニーとジェームスの目的は、デイヴィッドが行なっていることについて、他の人たちに教えることができるモデル(型)を作り出すことでした。それにより、より多くの人たちがこのモデルをセラピー以外の分野に適用できるようにすることが可能になり、かつ、デイヴィッドが得ていたのと同じような素晴らしい成果を達成できるようになることを目指したのです。
そして、クライアントが、自分の様々な課題について、より明晰な理解を達成し、非常に深遠なレベルにおいて気づきを得ていくことを可能にするために、言語レベルによる働きかけ(「クリーンな問い」)と、メタファー(比喩やイメージ)、そして、そこから生じる身体感覚へのアクセスによって、心理的・身体的なプロセスを促す手法を生み出しました。彼らはそれを、「シンボリック・モデリング」と名付けたのです。
その定義は、このようにされています。
『人びとが、自分のメタファーが世界の中でどのように自分の在り方を表現しているのかを発見することを、クリーン・ランゲージを使って促していくプロセスである。』
この技法は、クライアントが日常生活で経験するあらゆる課題に対して適用することができます。そしてさらにこの手法は、クライアントの潜在意識から立ち現れてくるメタファー(比喩やイメージ)を含んだ問題や課題について、深く働きかけかけるということが特徴です。このようなメタファーを含んだ表現は、より深い心理レベルでの叡智や癒しの可能性を含んでいると考えられています。
<シンボリック・モデリングについての理論的背景>
シンボリック・モデリングでは、人間のシステムというのは、重要な感情、思考、信念や体験が、「内的なメタファー(比喩・イメージ)」として記録されていく、精神的・身体的な有機体であるという捉え方をしています。つまり、我々の脳はまず最初にメタファー的なイメージで物事を捉え、「次に」、このイメージに言葉を当てはめていくのです。これらのイメージは、まるで地下に眠っている鉱脈のように、普段は潜在意識に隠れているのですが、実は、私たちの気がつかない深いレベルで、思考や感情、行動に影響を及ぼしているのです。
上記の理由ゆえに、「言葉で話す」というだけでは、私たちは自分自身の最も深くにあるニーズや、葛藤や叡智に、必ずしもアクセスすることはできないのです。したがって、ここで必要になってくるのが、これらのメタファーとしてのイメージに含まれている葛藤や叡智についてアクセスし、そこから言語へ転換していくための方法なのです。
このようにイメージ・メタファーが言語化され、それらについて我々が耳を傾けることができ、語りかけることができるようになると、顕在意識、潜在意識、精神と身体の重要なパーツ全てからの、総合的な「自分自身」についての気づきを得ることができるのです。
クリーン・ランゲージでは、ファシリテーターがクライアントのメタファーを言語化して表現できるように促すことで、クライアントは顕在意識と潜在意識の双方が理解できる双方向コミュニケーションを確立し、それまでは無自覚だった自分の心の仕組みについて、自覚的になることができます。そして、シンボリック・モデリングのプロセスを使うことによって、あなたはクライアントが自分のメタファーについて、特に、そのメタファーの特徴、組織、反応、そして繰り返しのパターンについて、探索していく手助けをすることができます。
多くの場合、クライアントは自分から出てきたメタファーとその仕組みを一旦見出すと、この中に含まれている論理が間違っていたり、もはや役に立たないものであることを発見したりします。そして、これらのクライアントにとってはすでに古い既存の論理は、クライアントが世界を認知するときにそのやり方を限定してしまっているために、非効率的だったり害を及ぼすような行動、または、問題のある身体的な症状を引き起こしてしまっているのです。
そしてメタファーは、何がクライアントの心理システムに対して効果的に働きかけていて何がそうでないのか、何が変わるべきで、そのためには何が起きる必要があるのかについて、解釈や分析無くして、自然に明らかにしてくれるのです。そして、この自然な発見と学びの内的なプロセスこそが、あなたのクライアントを深い気づきへと導くことを助けてくれるのです。そしてこの過程の中で、クライアントは、健全で全体的な、感情的、身体的、精神的、そしてスピリチュアルなレベルで世界と向き合うことができるための、自分自身を癒したり、行動を変化させることを可能するための全てが、自分自身の中にあるということを確信することができるのです。
そして、ファシリテーターが、クライアントの望んでいる結果について注意を方向付けることによって、クライアントのメタファーに、大きな変化が起こってきます。そして、新しい神経系統が確立されて強化されていくことで、思考や感情、そして行動についての重大な変容が起きてくるのです。ただし、このとき、古い神経系統が消えてしまうわけではありません。つまり、記憶が消えてしまうわけではないのです。しかしその代わりに、新たなきっかけ、すなわち記憶や繰り返しのパターンを変容させる第一歩が活性化されたときに、この新たな神経経路が、リニューアルされた道筋となるのです。クライアントは、今やメタファーの中に埋め込まれた新たな応答の方法を発達させていくことになります。